ホーム > U20日本代表情報:スペシャルインタビュー第5回 スペシャルインタビュー【第5回】U20ニュージーランド代表、グラント・ハバードU20世界ラグビー選手権開幕まで2ヶ月を切った4月中旬、U20ニュージーランド代表のチームマネージャーであるグラント・ハバード氏が来日。名古屋および東京で大会事前視察を行った。昨年のウェールズ大会を圧倒的な強さで制したU20NZ代表は間違いなく今年も優勝候補筆頭。正味1週間というハードスケジュールでの日本での視察の後、19日にNZに戻っていったハバード氏に離日直前に時間をつくってもらい、今年のU20NZ代表のキープレーヤーや準備状況などについて聞いた。
──実際に日本での視察を終えて、どのような感想を持たれていますか?「総体的にとても満足しています。宿泊施設も素晴らしいですし、食事も我々が望むものがとれそうです。トレーニング施設、試合会場ともきちんと整備されていた。細かい点で問題がないわけではありませんが、その是正が可能なことも確認できました」 ──すでにJWC(U20世界ラグビー選手権)向けにU20NZ代表が発表になっていますが、キープレーヤーを何人か紹介してください。「まず、スコッドの中には2人のスーパー14プレーヤーが含まれています。ザク・ギルフォード(ハリケーンズ)とCTBウィンストン・スタンリー(ブルーズ)。FBのギルフォードは昨年のJWCでもプレー。一方、スタンリーは元オールブラックスCTBジョー・スタンリーの甥っ子です。 この2人以外では、エアーNZカップ出場経験を持つ選手が5人含まれています。そうした、高いレベルでの試合経験を持つ彼らは間違いなく、チームの中で中心的役割を担うことになるでしょう。もちろん、それ以外にも才能豊かな選手たちばかりが揃いました」 ──昨年度のJWCでのプレー経験を持つのは、そのギルフォードだけですね。「そうですね。17、18歳の選手もセレクトしている豪州や南アフリカと違い、我々は19、20歳のエイジグループからのみのセレクションを基本としていますので、基本的には2年連続で同じ年齢カテゴリーの大会に出るのは難しいということになります」 ──その他の注目選手は?「本当にたくさんいます。スコッド全員と言ってもいいくらいです。たとえばPRマアフ・フィア(マヌワツ)。本当にパワフルなプレーヤーです」 ──今回、来日するチームは現時点でのU20レベルにおける最強のNZチームと言っていいでしょうか。「現時点では、そう言っていいでしょう」
──そのU20代表選手たちはどんな過程を経て、選考されたのでしょう。「NZでは地域ごとに若いエイジグループの選手たちのプレーぶりをチェックするスタッフがいて、そこからの情報をもとに昨年の10月頃からJWCに向けた選定プロセスがスタート。12月に候補選手46人を集めた1次合宿が行われ、そこで36人に絞られました。さらに4月初めに行われたセレクション合宿とトライアルマッチによって、26人が最終スコッドに勝ち残ったというわけです」 ──今後はどのような準備が予定されていますか?「4月末、5月末にそれぞれミニキャンプがあり、その後、5月30日に日本に向けて出発します」 ──本大会ではアイルランド、アルゼンチン、そしてウルグアイと同じA組で1次リーグを戦うことになるわけですが、なかなか厳しいプールですね。「本当にタフなプールに入ってしまったと思っています。昨年もアイルランドとアルゼンチンと同じ組でした。なので、彼らの強さは身に染みています。ウルグアイももの凄くポテンシャルのあるチームでしょうし、どの国もNZと対戦する際は最高のテンションで臨んでくる傾向がある。 そんなA組で勝ち上がったチームは優勝までたどり着く可能性も高い。そんなハイレベルな予選プールだと考えています」
──当然、NZとしては優勝が目標となる。「もし、連覇を果たすことができれば、本当に素晴らしい大会になったと言うことができるでしょう。その一方で、若い選手たちには世界というステージを知ることで大きく成長する機会にしてもらいたい」 ──昨年、優勝したチームと今年のチームを比較することは……。「それはとても難しいですね。正直言って、去年のグループは特別でした。何しろ、大会を通じて相手に与えたトライは1個だけ。決勝戦ですら、38-3というスコアでした。すでに昨年のメンバーのうち6、7人はスーパー14でプレーしています。でも、今年のチームだって、昨年のチームに比べても劣らないくらいのタレントは揃っている。昨年あるいは今年のチームメンバーの中から11年のNZでのワールドカップでプレーする選手が出てくるかもしれない。15年のW杯では、より多くの選手たちがオールブラックスになっている可能性が高いわけで、今回のメンバーのうち何人もがNZ代表として日本に戻ってくることになるかもしれません」 ──彼らが日本に戻ってくるのは15年ではなく、19年かも……。「いずれにしても、日本でW杯が開催されるとしたら、それは素晴らしいことです。日本はすでにサッカーのW杯を成功させていますし、インフラの面でも問題はない。それに、日本でラグビーがしっかりとした地位を築いてきたことも間違いない。IRBに対してW杯開催をどうアピールするかという意味から言っても、6月のJWCは非常に重要な大会となる。今回の視察で改めて日本にはW杯を開催する条件が整っているということがわかりました。JWCに関しても、日本のスタッフはみんな誠意を持って我々の要求に応えてくれようとしてくれてますし、いい大会になることを確信しています」 ──6月の日本は雨が多く、蒸し暑いなど、気候的には厳しい条件になることが予想されます。「どんな天候であれ、それに対応しなければなりません。昨年のウェールズはラグビーをするにはいいコンディションの毎日が続いたこともあり、我々本来のオープンラグビーを十分に披露することができました。それが雨の中のゲームとなれば、キックとFW戦中心の手堅いラグビーをせざるを得なくなるかもしれません。もちろん、我々としてはどんな条件であれ、NZスタイルのラグビーをして勝つことが最終目標になるわけですが」 ──NZスタイルのラグビーとは。「基本的にはパスをつないでトライをとるラグビーですね。新ルールのもとでは、まずしっかりテリトリーをキープすることが重要になるため、アタックを仕掛けるのが遅くなるケースもありますが、いずれにしてもパスをつないだランニングラグビーでトライを取るのが我々のスタイルです。もちろん、ジュニアレベルでもNZ代表である以上、どんな条件でも勝つことが最終的なゴールということになります」 インタビュアー:出村謙知
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