U20ウルグアイ代表 17-54 U20日本代表 (15位決定戦/2009年6月21日(日) at愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場)
小雨模様の瑞穂ラグビー場で行われた日本とウルグアイの順位決定戦。このチームで戦うラストゲームである。凄まじい気合いのもと日本の意地をかけた試合が始まった。
前半開始早々、ウルグアイの蹴ったボールをFB豊島がキャッチしカウンターを仕掛ける。右サイドを走り抜け大きくゲインすると、テンポ良く球を動かし一気に左サイドに展開する。スピードにのった日本のBKがウルグアイのタックルを突破していき、最後は左WTB鶴ヶ崎が飛び込み先制トライをあげた。開始わずか1分であった。その後も日本はキックを有効に使い、常にウルグアイ陣でゲームを運んだ。13分にはCTB仲宗根、17分には右WTB正海のトライでウルグアイを突き放す。イタリア戦では入りが最悪であった日本。しかし、わずかな時間で日本代表はそれを克服した。前半1分でトライを取ると、その後も集中力を切らさず攻め続けた。低く激しいタックルから何度もウルグアイのミスを誘いターンオーバーする。両チームの熱い思いがブレイクダウンを激しくする。お互いにエキサイトする場面もあったが、それだけ最終戦への思い入れが伝わってきた。日本は前半終了間際にも、敵陣22m付近センタースクラムをターンオーバーし、CTB南橋がトライをあげた。結局、6トライをあげ、ウルグアイを零封した日本が40-0と大きくリードをして前半を終えた。
後半になるとウルグアイが意地を見せた。ハーフタイムにキャプテンのファン・ディアゴ・オルマエチェアを中心に、悔いを残さないように思いっきり戦おうと士気を上げた。すると後半開始2分、連続ラックで少しずつ前進し、ついにトライをあげる。ゴールキックも成功しウルグアイが反撃を始める。しかし、日本も7分にFLとして出場のキャプテン有田がラインアウトモールからトライをあげる。このまま日本ペースで進むと思われたが、ウルグアイは11分にHOフェデリコ・ペレス、27分に途中出場のファン・ベルデが連続してトライをあげた。暑さの影響もあり両チームとも運動量が減りミスが目立つようになってきたが38分、日本がWTB正海のトライでとどめをさした。
最終スコアは54-17と大勝した日本だが、後半だけでは14-17とウルグアイにリードを許す展開となった。試合後、薫田監督は「やっと勝てた。嬉しいがホッとした気持ちでいっぱいだ」と話しながらも「後半の戦いには不安を感じる」とし、課題を感じていた。
多くのラグビーファンが望んでいたジャパンの1勝。最終戦ではあったが日本にとって大きな勝利となった。(植村 元統)
U20ウルグアイ代表 ブルーノ・グルンワルド監督 「日本におめでとうと言いたい。前半は、ウルグアイのミスからトライを取られた。後半はハーフタイムに、日本での最後のゲーム。悔いの残らぬようにと話をして、気持ちを切り替えた。今回の日本でのIRBの大会に一言いいたい。日本人のサポート、コミュニケーションはうれしかった。ホテルでも優しかった。日本人はとてもすばらしい。ラグビーには二つのタイプがある。一つは、グラウンドに出て戦うこと。もう一つは、戦いの後良い仲間になれること。負けて残念だが、学んだことを今後に生かし頑張りたい。日本の協会の方に感謝したい」ファン・ディアゴ・オルマティア キャプテン
「前半と後半と違っていた。前半は日本ペース。後半は話し合い、まとまることができ良かった」
U20日本代表
薫田真広監督
「やっと欲しい勝利がきて、ほっとしている。この試合が、自分たちのやってきたことの集大成だと選手たちを送り出した。後半の試合内容には不満が残るが、試合後に選手たちの笑顔が見られて良かった。この大会のことを今後の生活に生かしてほしい。まだこの大会に出場権利のある選手は一層頑張ってほしい。また、次回の大会に出場権を得られるよう頑張ってほしい。たくさんの観客に来ていただきとても感謝している。ありがとうございました」
有田隆平キャプテン
「勝てて良かった。内容はどうにせよ、最後を締めることができて良かった。15-16位決定戦にも関わらず、多くのファンに感謝している」
──ゲームに向かうまでの選手の気持ちは?
「これまでたくさんの遠征等を経験させてもらっている。力を出し切ろうと思った」
──日本のチームは主力中心であったが、連戦の疲れは?
「相手のウルグアイが後半力を出してきた。熱く、疲れていたが、がんばることができ、ほっとしている」
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