U20イングランド代表 52-7 U20サモア代表
(予選プール 第3戦/2009年6月13日(土) at東京・秩父宮ラグビー場)
イングランド、サモアに圧勝し、準決勝へ
東京・秩父宮での予選プール第3戦第一試合は、プールBの首位を賭けた無敗同士の注目のカード、梅雨入りにも拘らず、晴れの週末ということもあり、観客数もこの時点で12,000名を上回った。威風堂々なイングランドに対し、サモアも戦い前のハカからも充満な気合いの高まりが窺えた。試合開始と同時に評判どおりFW・BKともに強力なチーム力、体格の上回るイングランドが終始サモアを圧倒し、プールB首位となり、準決勝へ駒を進めた。
前半3分、イングランドは10mラインアウトより右展開、CTBルーク・イーヴズがブレイクし、FBトーマス・ホーマーが縦にスピードで入り、CTBヘンリー・トリンダーが電光石火のトライを得ると、SOローリー・クレッグのWTBと連携の取れた絶妙なコントロールキック、SHベンジャミン・ヤングズのキック、スピードのあるサイド攻撃により、強力FW陣も前へのエンジンが掛かる。サモアもときおり目を瞠る果敢なタックルでイングランドの攻撃を凌ぐが、イングランドはペナルティで得たPGでも得点を重ね、ゴール前では強力スクラムからのトライも2本上げ、またディフェンスにおいても、サモアの攻撃を堅実に防ぎ、前半で39-0と大きくリード、チームとしての実力を見せつけた。
後半4分、イングランドがPGでの得点後、この日一番のサモアの見せ場となる攻撃が始まる。サモアは3番ウィイニ・アトニオの縦突進等でゲイン重ね、イングランドから得たペナルティより速攻での連続攻撃を仕掛け、敵陣ゴール前より、SHアウヴァサ・ファレアリイがディフェンスのギャップをつき、この日初のトライ、ゴールもFBレイハン・ラウララが決めて、42-7とする。この後、イングランドも強力FWを起点としたトライを2本重ね、52-7でノーサイド。
イングランドがこの日の戦いぶりを見てもチームとしての攻撃・防御の連携の完成度が高く、間違いなく優勝戦線に加わってくるものと思われる。
この日の結果により、各プールより準決勝へは、イングランド、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの4チームが進出し、イングランドは、6月17日(水)に同じ秩父宮ラグビー場で南アフリカと対戦する。この準決勝2試合はいずれのカードも、熾烈な戦いとなりラグビーファンには待望の見逃せない試合になるだろう。
またサモアは5-8位決定戦に加わり、17日福岡にてフランスとの対戦となる。(高野 敬一郎)
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U20サモア代表のメレイシア監督(左)、オットーイオナ キャプテン |
U20サモア代表
ヴィンセント・メレイシア監督
「今日のゲームは我々としては幸先良いスタートをしたと思ったが、エラーが出てしまいました。イングランドは良い試合をしました。賞賛したいと思います」
──2位で予選プールを通過したが?
「今回はプール2位ということで、8位以内を確保したわけですが、昨年は7位でしたので、それ以上の順位を狙っていきたいと思います」
シアオシ・オットーイオナ キャプテン
「タフなゲームでした。イングランドチームは強いシステムと戦略で対応し、最初から最後まで良い試合をしたと思います」
──10分くらいは想定どおりの試合ができたのでは?
「イングランドはとても強いチームでした。それぞれのポジションからの対応が非常に良かったと思います」
──ベストの戦い方であったか?
「我々にミスが出てしまいました。それに尽きるだろうと思います」
──観客席のサモアコールは聞こえたか?
「声援は聞こえました。それなのに勝てませんでした」
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U20イングランド代表のメイプルトフト ヘッドコーチ(左)、クラーク キャプテン |
U20イングランド代表
マーク・メイプルトフト ヘッドコーチ
「我々は今日の結果に大変喜んでいます。準決勝が楽しみです」
──スクラムの出来は?
「満足しています。しかし、これから上位の南アフリカ、フランスなどとの試合では大変厳しいと考えています」
──シャットアウトしようと言う声も聞こえたが?
「我々としては得点というより、むしろ攻撃と防御をしっかりやることを目指していました。前半は冷静に試合をすることができて、若い選手にとっても良かったと思います」
──ここまで3試合の感想と準決勝への抱負は?
「我々は改善されて良くなってきました。6カ国対抗ではしっかりしたモメンタムが無く、今一つの出来でしたが、今回はそれぞれの試合で良いところが出ています。準決勝もしつかりやっていきたいと思います」
キャラム・クラーク キャプテン
「サモアの戦い方には非常に情熱的なものがありました。我々自身のプレーにも満足しています」
──ここまで3試合の感想と準決勝への抱負は?
「私は基本的に1試合しか出ていませんが、戦術、パフォーマンスはプール戦に力を注いできて、改善されてきたと感じています。」
──日本に来てから進歩した点は?
「アタックにおいて、相手より冷静さが増してきたこと、ラインを動かすことができてきました。今日は相手に恐れを抱かせたいとプレーしましたが、スクラム、ラインアウトとも良かったです。選手の気持ちがポジティブになってきたことも進歩です」
──怪我で2試合出られなかったが?
「今日、最初はタフに感じたが、すぐに慣れてしっかりとプレーできたと思います。こういう場に置いてもらって、コーチには感謝しています」
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