U20カナダ代表 15-51 U20ウェールズ代表 (予選プール 第2戦/2009年6月9日(火) at佐賀・ベストアメニティスタジアム)
第2試合、カナダ vs ウェールズ。辺りは薄暗くなり、ますます緑の芝生を照明のライトが青々と照らす。観客も1356人入り、ウィークデイにもかかわらず第1戦よりも多く来ていただいた。是非、好ゲームを見せていただくことを期待する。レフリーの平林泰三氏(日本協会)のホイッスルで試合開始。
開始早々、ウェールズが中盤のラインアウトから左に大きく展開し、14番ジェームズ・ロックストンがトライをし、5-0とする。それに対し、カナダはウェールズ陣10メートル付近でのPGを狙うが失敗となり、試合の序盤がスタートした。
ウェールズの大きく展開するラグビーにカナダのDFが前で止めることができず、少しずつゲインラインを切られていく。ウェールズは16分にトライ、ゴール成功、24分、28分にPGを決め、カナダを25-0と突き放していく。
中盤、両国ともエキサイトし、掴み合いになるが、両キャプテンの冷静な対応に徐々に両チームとも落ち着きを取り戻していく。カナダは、FWの突進を中心とした攻撃で、ウェールズからPKを奪いゴールが成功し、3-25とし今大会初得点をする。しかし、34分、すぐにウェールズは、ラインアウトからゴールへなだれ込み、6番のジャスティン・ティプリックがトライ、ゴール成功し32-3とした。35分、カナダもすぐにウェールズのラインアウトからのトライのお株を奪うような、ラインアウトからのトライを7番のセバスチャン・ピアスンが決め、今大会初トライを決め、8-32とした。その後勢いづいたカナダがウェールズ陣を攻め続けたが、ハーフタイムとなった。カナダが、前半最後の勢いを後半も継続できればおもしろい展開になるだろう。
心配された雨も何とか降らず、カナダのキックオフで後半がスタートした。ウェールズのワイドパスに対してカナダの狙ったタックルが突き刺さる。しかし4分、右隅のスクラムから左へ大きく展開したウェールズが、14番ジェームズ・ロックストンのトライ、ゴール成功で後半最初の得点をし、39-8とした。カナダは、何回も攻撃のフェーズを繰り返すが、ウェールズの赤い壁を切り崩していくことができず、少しずつ後退していく。
その後、一進一退の攻防が繰り広げられるが、21分ウェールズが22メートル付近中央のラックから、左に展開し12番から22番へリターンし、そのまま22番スコット・ウィリアムズが走りトライ、ゴール成功し46-8と試合が動いた。30分、ウェールズは、バックスの華麗なステップワークからカナダのディフェンスラインを抜き去り、最後はタックルを受けながらの巧みなパス回しで6番がトライを決め51-8と点数を重ねていく。ウェールズは、ランニングスキルとハンドリングスキルでカナダを上回り、終始試合を支配していく。しかし、ノーサイド直前39分、カナダのラインアウト。ウェールズ陣22メートル付近。ラインアウトからモールを作り、20メートル押し込み、そのままインゴールへなだれ込み、カナダ最後の意地のトライを見せた。最終的な試合結果は、ウェールズ(51-15)カナダ。
最終観客数は、2068名。結果的に点数が開いたが、試合を見にきてくれた観客は、最後まで諦めない選手のプレーにラグビーのおもしろさを感じてくれただろうか。観客数からも少しずつJWCの大会が盛り上がりを見せてきている。試合を重ねる度にプレーの精度とチームのまとまりが向上していき、よりエキサイティングでおもしろいラグビーの試合が展開されていくことを期待したい。
U20カナダ代表
ティム・マーディ ヘッドコーチ
「もちろん結果として喜べるものはない。しかし第1戦から改善された点はあった。第3戦に向けて調整する」
ハリー・ジョーンズ キャプテン
「最後にモールからトライが取れたことはとても良かった。そういう形で終われたので、トンガ戦は勝てると思う」
──改善された点とは具体的に。
ティム・マーディ ヘッドコーチ
「セットピースだ。スクラムについては多少動かされた点はあるが改善できている。ラインアウトは最後のトライの起点となったように、良くなっている。もう少し修正して、第3戦につなげたい」
──第1戦オーストラリア、第2戦ウェールズと強豪国と対戦してきたが、今日のウェールズの印象は?
ハリー・ジョーンズ キャプテン
「オーストラリアもウェールズもタフなチームだった。ハードタックラーも多い。ウェールズとのほうが良く戦えたと思う」
U20ウェールズ代表
フィル・デーヴィス ヘッドコーチ
「今日の結果を受け、プール戦を2位以上で終えることが決まったのはとても喜ばしいことだ。第3戦に向け、自信を持って戦える」
ジャスティン・ティプリック ゲームキャプテン
「非常によくがんばったと思う。次のオーストラリア戦もがんばって、順位決定戦に向かって戦っていきたい」
──第3戦のオーストラリア戦のゲームプランは?
フィル・デーヴィス ヘッドコーチ
「No(ない)! ただオーストラリアよりも少しでも多く点をとりたいと思う」
──カナダのブレイクダウンは想像通りだったか?
ジャスティン・ティプリック ゲームキャプテン
「タフなゲームだった。自分たちにとっても難しいゲームだった」
──カナダの速いプレッシャーで、ハンドリングミスがいくつか見られたが改善できるか。
フィル・デーヴィス ヘッドコーチ
「もちろん。ブレイクダウンのところでカナダがかなりプレッシャーをかけてきたためだ。第3戦に向け改善する」
──モールからトライをされたが、プライドという面ではどうか?
ジャスティン・ティプリック ゲームキャプテン
「カナダのいいモールに押された。モールを引き倒せないという新しいルールのため、止めることができなかった」
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