U20イタリア代表 3-65 U20南アフリカ代表
(予選プール 第2戦/2009年6月9日(火) at大阪・近鉄花園ラグビー場)
微風の中、イタリア(ITA)キックオフで滑り出したゲームは、出足から気合充分のITAが南アフリカ(RSA)陣深く攻め込む。が、詰めが甘く、肝心なところでミスが目立ち、ゴール前のチャンスを潰してしまう。
ITAの勢いを堅実に受けとめたRSAは、ブレイクダウンで徐々に前進、4分ゴール前でPGチャンスを得、しっかりと先制する。(0-3)
その後攻め込むも、気合が空回り気味で、ケアレスミスの多いITAは、ラックで活路を見出そうとするが10分RSAオフサイドから得たイージーなPGチャンスを外した辺りから、歯車が少しずつ狂い始める。厳しいタックルでゲインを許さないRSAのDF、その勢いでアタック面でキック・ランと様々なチャレンジをするが、こちらもケアレスミスが多く、得点に繋がらない。
25分、ハーフライン付近左ラインアウトから右展開を試みるRSA、WTB14ヘアハルトにボールが渡るとタッチライン際を快走、あっさりとトライを奪う。(G成功 0-10) 31分、35分とRSA SO10クロニエの巧みなキックパス等で加点すると(0-20)、ブレイクダウンでの小競り合いから、ITA2名、RSA1名のシンビンを出してしまい、大味なゲーム内容に傾きつつゲームが進んでいく。
ブレイクダウンで優勢なRSAは、シンビンによるITAの劣勢につけこみ、43分SO10クロニエのトライを皮切りにトライを重ねていく。68分、ITAもゴール前22m付近のPGを決め反撃するも(3-51)、一旦RSAに傾いた流れを戻すだけの力も無く、ファイナルスコア3-65でRSAの軍門に下った。
RSAの順当勝ちとはいえ、総じて、若さからか、両チームとも勢いはあるものの、ノックオン等トップチームでは致命的なケアレスミスが目立ち、優勝候補のRSAと言えども、磐石ではない印象を受けたことはやや残念であった。(廣島 治)
U20イタリア代表
アレッサンドロ・ギーニ監督
「スコアをご覧のように、今日の試合では大きく差が開いてしまった。ひとつの理由としては、南アフリカが、先日のフィジー戦よりも力をつけてきた点が挙げられる。我々は、強豪で知られる南アフリカを相手に、力の限りプレイした。その点については評価できる。同じ時間帯にイエローカードを2枚もらってしまったのも痛かった。ケガ人も多く、20分以上も14人で戦わねばならなかった。ラグビーの試合では、それは致命的だ」
ルカ・ペティッロ キャプテン
「今日はタフな試合だった。モールでもスクラムでも、タックルでも、南アフリカチームはとても強かった。でも私は、このチームを誇りに思っている。最後のフィジー戦に向けて気持ちを引き締めてがんばりたい」
──南アフリカが、フィジー戦のときより力をつけた、というのは、具体的にはどのような点か?
アレッサンドロ・ギーニ監督
「今日の試合で南アフリカは力を集中してきていた。あらゆる局面で、力強くまっすぐ押す、という基本的なプレイができていた。前回の試合で、前半戦、フィジー側のスピードについてゆけずに苦戦した、という経験があったので、この点を修正してきたのだと思う」
U20南アフリカ代表
エリック・サウルス監督
「最初の15分、20分は、何度かボールを落としてしまう場面もあり、自分たちで不必要なプレッシャーをかけてしまっていた。後半立て直し、ボールをより注意深く扱い、場面に応じて的確な展開をすることで、トライにつながった。前回のフィジー戦からは、チームプレイを心がけること、そして、パスの回し方、全体の動きについてなどを修正した」
ロベルト・エベルソン キャプテン
「序盤はとてもタフだった。簡単な試合などないが、この試合も、ここで負けたら後がない、という気持ちで臨んだ。最終的に65点とれたことは、次につながると思う」
──フランス戦の攻略法は?
エリック・サウルス監督
「フランス戦はフィジカル中心のタフな対戦になるだろう。彼らはシックス・ネーションズの現チャンピオンでもある。彼らのことは決して過小評価はできない。彼らとの戦いは、接戦になるだろうね」
ロベルト・エベルソン キャプテン
「この大会には、どの試合も重要ですべてがファイナルのつもり戦う、という気持ちでやって来た。フランス戦も他の試合と同様だが、ファイナル進出がかかった試合ということで、さらに奮起して臨みたいと思っている」
|