U20フィジー代表 25-48 U20フランス代表
(予選プール 第2戦/2009年6月9日(火) at大阪・近鉄花園ラグビー場)
先のイタリア戦でボーナスポイントを含む勝ち点5をあげ、勢いにのるフランスは、勝ち点マイナスからのスタートだけに何とかフィジー相手にも勝ち点5をあげたい。対するフィジーは初戦の南ア戦の敗戦から、いかに修正してきたかが興味のあるところ。
キックオフはフィジー。ボールをキャッチしたフランス、ハーフウェイ左中間まで攻め込み右へ展開、これをフィジー10番コロイ・ヤヴァラがインターセプトしゴール中央へトライ。前半開始から2分経過したノーホイッスルトライであった。
先のイタリア戦で開始早々にトライをあげ、ゲームの主導権を握ったフランスだけに意外なゲーム展開を予想させたが、フランスは落ち着いている。9分にはゴール前ラインアウトからモールを押し込み2番ジャン=シャルル・オリオリがトライ、7-7の振出へ。その後フィジーは1トライ1PGを、フランスは2トライ2ゴールをあげ15-21とし勝負は後半へ。
後半2分、フランスはゴール前20m中央のスクラムから右へ展開、11番ジブリル・カマラが右中間にトライ、ゴールも決まり、15-28とする。その後お互いに1PGを加えた後、9分にフィジーはキックオフのこぼれ球に7番ルーク・ナコンブコンブワが素早く反応し中央へトライ、ゴール成功で25-31とフランスを追い上げる。しかしフランスは13分に自陣10m右中間スクラムより左へ、8番-9番展開、21番-15番-11番-14番-13番と細かくパスをつなぎ再び8番ヴァンセスラス・ロレにボールが渡り左隅にトライ。フランスはその後も20分、25分にトライをあげフィジーを突き放した。
お互いにボールがよく動く面白いゲームであったが反面、ミスでチャンスをつぶしてしまうケースが目立った。フィジーは相手のミスからのトライ、対してフランスはスクラム、モールと意図した攻撃から相手ディフェンスを崩し、スペースを探してのトライがほとんどであり、内容的にはフランスの圧勝であった。
U20フィジー代表
オセア・ウムウムロヴォ監督
「良い試合ではあったが、相手が強く負けてしまった。今回の結果を受け止め、もし上位12位に入れたとすれば、フィジーに帰ったあとで、来年の大会へのチーム作りに励みたい」
キニ・ムリムリヴァル キャプテン
「今日の試合はかなりタフだった。トライのチャンスをつくれたのは良かったが、相手は強く、こちらのエラーから相手にチャンスを与えてしまった。できる限りがんばって戦ったが、足りなかった」
──フランスチームのどのような点が強かったか?
オセア・ウムウムロヴォ監督
「フィジーの弱いところはスクラムやラインアウトなどのセットプレー。フランスはそこをついて、スクラムやラインアウトでの競り合いを仕掛けてきた。フランスチームは、体が大きくて強いのも強みだ」
──前回の試合から修正した点は?
オセア・ウムウムロヴォ監督
「前回の南アフリカ戦よりも、ブレイクダウン後の展開を速くするようトレーニングした。それが、今日の試合での3トライにつながったと思う。今日の試合では、その点で修正がみられたのが良かった」
U20フランス代表
フィリップ・ボエール監督
「まず最初に、今日の勝利にはとても喜んでいる。ボーナスポイントをとれたことにも満足している。我々にとって、ボーナスポイントの獲得は非常に大切だ。今日の試合はとても長く感じたが、選手たちはよく耐えた。フィジーの選手たちも素晴らしかった。彼らにも敬意を表したい」
ルドヴィク・ラドスラヴレジェヴィク キャプテン
「我々は、次の決勝ラウンドに進出するためにこの大会に来ている。フィジーの選手たちは強くて、カウンターアタックも狙われたが、僕たちは、チーム全体でプレイすることに集中して戦い、勝つことができた」
──フィジー戦でもっとも難しいのはどういった点か?
フィリップ・ボエール監督
「フィジーの選手たちはコンタクトが強く、スピードもある。個々のレベルも高いから、難しい対戦相手だ。個人技で突破を試みる彼らに対抗するため、我々は集団でのプレイを心がけ、スクラムやモールで勝負した。その作戦は功を奏し、モールから3トライ決めることができた」
──次に対戦する南アフリカチームの印象、そして攻略法は?
フィリップ・ボエール監督
「南アフリカは噂どおりの強いチームだと思うが、フィジー戦を見た限りでは、まだ本当の実力は発揮していない。次のイタリア戦をじっくり観察するつもりだ。南アフリカ戦は、たしかに一番の難関となる。彼らはチームプレイも完成され、フィジカル面も強い。次の試合に向けては、選手たちの回復が先決だ。ケガ人も多く、今日の暑さで、相当体力を消耗しているからね」
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