ホーム > 大会概要:大会発表会見 2008年11月5日、日本ラグビーフットボール協会は記者会見を開き、2009年6月に日本で開催される「IRBジュニアワールドチャンピオンシップ2009」の日程・会場・プール組合せなどについて発表いたしました。 この大会は、アンダー20のカテゴリーの国代表16チームが1カ月にわたって競うという、ワールドカップ・ワールドカップセブンズにつぐメジャーな大会であり、日本にとっても、またアジアのラグビーにとっても、たいへんに大きなイベントです。 記者会見要旨フィリップ・ボーダリアスIRBジュニアワールドチャンピオンシップ、トーナメントディレクター
「まず皆さんにご挨拶する前に、始めに、森会長、真下専務理事をはじめとする日本協会の皆さんに、日本にお招きいただいたお礼を申し上げたい。本来であれば、IRB会長のラパセが参るところですが、都合がつかず、代わりに私からご挨拶申し上げます。 IRBとしては来年、IRBジュニアワールドチャンピオンシップが日本で開催されることを喜ばしく思っています。ラグビーというスポーツが、世界でかつてない成長をとげているなか、とても楽しみなことです。 IRBジュニアワールドチャンピオンシップは、ワールドカップにつぐ大きな大会であり、第1回のウェールズ大会も、運営上も観客動員数の上でも、大きな成功をおさめることができました。2009年の日本大会も、必ずや成功をおさめると思っています。むしろ日本大会は、これまでIRBが行ってきた年代別の国際大会のなかで、最も成功する大会になるであろうと確信しています。 大会の準備を進めていくなかで、日本協会の皆さんのプロ意識の高さ、大会を成功させるという意欲の高さ、そういったものを感じ、うれしく思います。 森喜朗日本ラグビーフットボール協会会長
「今日はお忙しいなか、ありがとうございます。約1カ月間、世界16カ国を招くという大規模な国際大会を初めて預かることに、非常に身の引き締まる思いです。ホストユニオンとして、日本が世界に誇る交通や宿泊施設などのファシリティを最大限に活用し、大会の成功に向けて、準備を進めていきます。 ラグビーをとりまく環境は多様化しておりまして、各国の強化のスピードも加速しています。特に顕著なのが、20歳前後の年代で、世界を見るとこの年代で強豪クラブとプロとして契約し、国のフル代表として活躍する選手も少なくありません。実際、第1回のウェールズ大会でも、各国にはそうした選手が多くみられました。 私たちは、この大会を通じて、日本のラグビーをアピールすることはもちろん、アジアにおけるラグビーの普及・発展に寄与したいと考えています。またこの大会の成否が、ワールドカップ日本招致にも影響するという認識をも持っておりますが、なによりも、多くのファンの皆さんと、ラグビーのもつ素晴らしさを共有していきたいと考えております。ラグビーのもつ、協調性・自己犠牲といった精神を感じていただきたいし、スタジアムに足を運んでいただいて、世界一を目指してしのぎを削るテストマッチの真剣勝負を、ぜひとも観戦いただきたいと、切に願っています」 真下昇日本ラグビーフットボール協会副会長/専務理事
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真下副会長/専務理事 |
「皆さん、お忙しいなかお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。IRBジュニアワールドチャンピオンシップ2009には、世界16カ国からU20代表16チームが参加します。日本協会としては、このような世界大会の開催は初めてであり、身の引き締まる思いでおります。この大会を通じて、世界に日本のラグビー、日本の文化を紹介していきたい。そのために、日本の多くのファンが、この大会をしっかり見て、体験していただくこと、そして参加する選手たちが、開催地の地元の方々と交流し、また他国の選手らと友情を育んでいくことが大切であろうと考えます。
また本大会では、ボランティアの方々の力を借りなければならないと思っております。ボランティアの方たちの心のこもった運営・会場設営が、選手たちがのびのびとプレーする上でも大切になるでしょう。日本協会としては、三地域協会、各県の協会、すべて一体となって、最大限の努力をもって運営にあたっていきたいと思います」
薫田・U20日本代表監督 |
「まず2008年の総括から。6月の第1回ウェールズ大会では、1勝4敗の15位という結果に終わりました。相手チームはプロ、対する我々は学生、そうした図式があり、たいへん厳しい戦いになりました。
たとえば初戦の相手、フランスのU20代表には、フル代表が2名いました。イングランドは96%がプロでした。ウェールズ、ニュージーランド、南アフリカなども、だいたい7割がプロでした。
今年の大会の目標は、プール予選2勝です。これは高いハードルです。
第1回ウェールズ大会のスタッツをみますと、攻撃力は16チーム中8位、トライ数では6位にランクされているのですが、ボールのキープ力(ポゼッション)は最下位の16位です。またトライは全部で14ありましたが、その内訳は、最後のアメリカ戦を除くと、ほとんどがフォワードによるトライ。しかも現在ではルール上、用いることが難しいドライビングモールによるトライが多数です。
また(国際大会レベルの試合の)経験不足、フィジカル面でのハンディも感じました。準備不足のまま現地に乗り込み、選手たちにもはっきり言いましたが、やむなく第3戦のイタリア戦に向けてチームをつくっていきました。
今度の大会では当然のことながら、しっかり選手選考を行い、初戦に向けてしっかり準備をし、臨んでいきたいと思います。
トップリーグで結果が出ているチームには、しっかりした、またキックのうまい外国人のスタンドオフがいると思います。やはり試験的実施ルール(ELV)でゲームの質が変わってきているなか、学生の質・精度を上げていかなければなりません」
──目標であるプールでの2勝は、どのチームからあげるのですか?
薫田・U20日本代表監督
「率直に申し上げれば、スコットランドとサモアです。もちろんイングランドとの試合を捨てるということではなく、勝ちにいくことには変わりはありません」
──この大会が日本で行われることになったいきさつは?
ボーダリアス トーナメントディレクター
「IRBには、開催国を決める際の基準があるわけですが、日本はそれらの条件をすべて満たしていました。なかでも重要なのが国際大会を主催する能力なのですが、日本に疑う余地はなかった。もうひとつ、IRBとしてはラグビーの普及という観点から、アジアをとても重視しており、アジアでこの大会を開きたかったということもあります」
中里・トーナメントマネージャー |
──会場として佐賀を選んだ理由は?
中里・トーナメントマネージャー
「まずスタジアムとして素晴らしいということがあります。そして、九州はふた会場になるわけですが、日程と会場確保の問題がありました。Jリーグとの兼ね合いもあり、無理にひとつの会場にするのでなく、福岡のレベルファイブスタジアムも佐賀のベストアメニティスタジアムも素晴らしいスタジアムであり、また共に近接してあるという利点を活かしていこうという考えです。また両会場とも、こんどの大会の開催会場として、非常に前向きな意向を示してくださったことも付け加えさせてください」
──薫田監督は以前、国内でU20の大会を開くぐらいのことをして、選手に経験を積ませたいとおっしゃっていましたが。
薫田・U20日本代表監督
「大学ではジュニアのリーグ戦が行われていますが、これは年齢制限はありません。なんとかこれをU20で、ということも進めたのですが、大学によってはU20にすると1チーム編成できないところもあり、なかなか難しい。今シーズンは各大学の監督さんに、U20のスコッドの選手を、なるべくジュニアの試合に出してほしいという要望を出してはいます。来年度はぜひU20の大会をと、個人的には考えています」
真下副会長/専務理事
「理事会では、薫田君の報告もふまえて、U20のカテゴリーをしっかり意識して、リーグをつくろうという話をしております」