U20オーストラリア代表 5-32 U20南アフリカ代表
(3位決定戦/2009年6月21日(日) at東京・秩父宮ラグビー場)
南アフリカ、南半球同士の決戦を制す!
既に梅雨に入り、日本各地では空梅雨で渇水が話題になる今日この頃、6月21日東京・秩父宮では、深夜から降り出した雨が時折激しくグランドの芝を叩き、水溜まりが所々にできるコンデションの下、6月5日より開幕した「U20世界ラグビー選手権・IRB TOSHIBA JUNIOR WORLD CHAMPIONSHIP 2009,JAPAN」のファイナルステージ、3位の座を争う決定戦が、南アフリカとオーストラリアの南半球のチーム同士で争われた。
両チーム共に、基本に忠実かつ最新・高度なスキルを身に付け、特にバックスには将来が期待される有望選手が多数所属し、バックスから仕掛けるスリリングで手に汗握る好ゲームが期待された。
南アフリカのキックオフで始まった1分後、南アフリカにゴール前まで攻め込まれたオーストラリアはラック状態でオフサイド、痛恨のペナルティーを取られ、南アフリカ15番・ブランマーがPGを成功させ早くも先制の3点を獲得。
続く4分・南アフリカボールのセットプレーからバックスに展開したボールを、南アフリカ10番・リオネール・クロニエが飛び込み初トライ、8点を獲得。
8分・南アフリカがオープンに展開、最後は14番・ファンデンヒーファーが飛び込みトライ、15番ブランマーがゴールも成功させ15点を獲得。
14分・南アフリカのゴール前まで攻め込んだオーストラリアは、再三ラックからのボールを獲得・供給し、最後はオーストラリア1番・アルバート・アナエがゴールに飛び込み待望の初トライ、5点を獲得。
20分・ゴールライン10m付近まで攻め込んだ南アフリカは、オーストラリアが侵したオブストラクションからPGを獲得、南アフリカ15番・ブランマーがPGを成功させ、18対5と点差を広げる。
28分・スクラム左サイドを抜けた南アフリカ11番・マストリートに対する危険なタックルで、オーストラリア9番・ホワイトがイエローカード・シンビンで10分間の退場。
その後は、両チーム共に雨で濡れたボールが滑りノックオン等のミスが目立ち、ゴールライン直前まで攻め込むものの決め手に欠く等で、ハーフタイムを迎え前半戦を終える。
後半12分、オーストラリアに自軍陣営20m付近まで攻め込まれ、ラックからこぼれたボールを南アフリカ9番・ロス・クロニエが拾い、最後は13番・ハネコムに繋がり独走、ゴール中央に後半初のトライ、15番ブランマーがゴールも成功させ25点を獲得さらに点差を広げる。
南アフリカがラフプレーにより、16分、26分と立て続けにイエローカード・シンビンで10分間の退場となり、14人での厳しい試合を強いられ、オーストラリアに再三再四ゴールライン直前まで攻め込まれるものの耐えにたえ忍んだ39分、ゴール前20m付近まで攻め込んだオーストラリアがスクラムから出たボールをオープンへ展開、好ダッシュをみせた南アフリカ10番・リオネール・クロニエが、そのボールをインターセプトし、80メートルを独走・走りきり中央にトライ、15番ブランマーがゴールも成功させ32点を獲得。
オーストラリアは、終始・最後まで南アフリカのゴールライン直前まで攻め込みながら決め手に欠き、逆に南アフリカの厚いディフェンスに阻まれ、開いた点差を縮めることができず、オーストラリア陣営及びそのファンにはストレスが溜まった状態での、レフリーのフルタイム(ノーサイド)の笛が鳴り、南半球同士の熱く激しい戦いは、南アフリカが32対5でオーストラリアをほぼ完璧に押さえ込み、待望の3位を獲得した。(佐々木 文昭)
|
|
|
U20南アフリカ代表のサウルス監督(左)、エベルソン主将 |
U20南アフリカ代表
エリック・サウルス監督
「非常に素晴らしい勝利です。元々タイトなゲームになると思ってましたが、この大会の我々にとって最後の試合で勝利できてよかったです。激しい肉弾戦を予想していましたが、勝てて良かったです」
ロベルト・エベルソン主将
「選手にも、チームにも誇りを感じております。
英国に敗れた後、チームを整えることが難しかった。決勝戦でなく三位決定戦であったため、気持ちを高めるのが難しいと予想していましたが、うまくまとめることができました。勝利できて良かったです」
──豪州のゴール前アタックは密集サイドを突くことが多かったが、南アフリカはディフェンスが良いので守りやすかったのでは?
エリック・サウルス監督
「豪州のサイド攻撃はある程度予想していましたが、我々のディフェンスが充分に機能しました。スクラム、モールでも勝利していたので相手の体力を消耗させることができましたので、結果として我々のアタックでオープンへの展開もできました」
──昨夜はテレビを見ていて早く寝れなかったのでは?(笑)
ロベルト・エベルソン主将
「はい、ライオンズのゲームを見てましたので(笑)。
いつかはこのチームの我々もあのチームで試合をしてみたいと思っています。そう思うと彼らの試合を見ることは自分たちの参考にもなるので、夜遅くまで見てしまいました(笑)」
|
|
|
U20オーストラリア代表のヌシフォラ ヘッドコーチ(右)、フィッツパトリック主将 |
U20オーストラリア代表
デイヴィッド・ヌシフォラ監督
「豪州の今までの試合の中で、もっともフラストレーションのたまるゲームでした。ミスが多くて非常に残念でした。その結果、相手にスコアを許し、我々は得点を取れない、という非常に残念なゲームでした」
ダミアン・フィッツパトリック主将
「非常に残念に感じ、また悔しい思いをしています。チーム一体となってプレーをするつもりでしたが、ミスが多く、ただ残念の一言に尽きます」
──ラインアウトのモールが弱く感じたが、南アが強かったのか、新ルールにまだ適応できてないのか?
デイヴィッド・ヌシフォラ監督
「南アのラインアウトは非常に強かった。ラインアウトに自信があるので、キックを有効に使ってこられ、我々はボールキープすることがなかなかできませんでした」
──試合前にどのようなゲームをイメージしていたか?また、試合中はなにか変化させようとしたか?
「スコアが20点前後の試合と予想していました。南アフリカは簡単には勝たせてくれないだろうと予想していましたが、我々には強いBKがいるので、勝負になると理解していました。残念ながら、試合の中で適切なプレー判断ができずミスが生じてしまいました」
|