「U20世界ラグビー選手権」も、いよいよ6月21日(日)に最終日を迎えます。東京の秩父宮ラグビー場は、【決勝・3位決定戦】という豪華な2本立て。13時に3位決定戦、そして15時に決勝がキックオフです。21日はぜひスタジアムへ。そして「世界一」をご自身の目で確かめてください。
3位決定戦【南アフリカ vs オーストラリア】
両国それぞれのスコッド(登録選手26名)に含まれる、南半球スーパー14のチーム(南アフリカ5、オーストラリア4)契約選手の数は、南アフリカ4人、オーストラリア13人と、決勝に進出したニュージーランドのそれ(2人)を上回っている。
ともにBKに、将来が期待されるプレーヤーが集中している。南アではSHクロニエ(シャークス)と準決勝のイングランド戦ではFBに入ったブランマーやWTBファンデンヒーファー(以上ブルズ)、オーストラリアではSHキンギ(レッズ)、SOトゥームア(ブランビーズ)、WTBデイヴィス、CTBタプアイ(以上レッズ)、そしてCTBタウモエペアウ(ブランビーズ)、FBハイレット=ペティ(フォース)などが準決勝に先発している。
彼らに総じて言えることは、基本に忠実で、かつ最新のスキルを備えていること。キャッチングやタックルなどには幼い頃からのコーチングの跡が見られ、エンドオーバーエンドパス(わざとボールを縦回転させる放り方)やドロップパント(同じくバックスピンをかけたキック)、スピンターンなどリーグラグビーの影響を受けたスキルなどがごく自然に、かつ正確に発揮されている。
最終日は、彼らのプレーを間近に見る最後のチャンス。準決勝でもそうだったが、鮮やかでスリリング、息を呑むようなプレーの数々に、きっと秩父宮のスタンドからも感嘆のどよめきが起こることだろう。
優勝決定戦【イングランド vs ニュージーランド】
2大会連続の南北対決。前回はニュージーランド(NZ)の完勝であったが、今回は体格で勝り、スキルとプレミアシップ(プロクラブのリーグ)経験を備えたイングランドがむしろ優位との見方もある。
とは言えNZは、今大会これまで許したトライが準決勝オーストラリア戦の2つだけという高いディフェンス力と、SOクルーデン主将、WTBギルフォードやFBロビンソンらBKの高い得点力をもってイングランドに対抗してくるに違いない。1-4位決定戦に進んだ4チームの中では、体格が小柄にすら見えるNZだが、黒いジャージやスピード溢れるプレーぶりと相まって、非常に精悍な印象を与える。決勝でもその印象のままに、白い巨人=イングランドの選手たちに、勇敢に襲いかかって行くはずだ。
そして試合前のハカ=NZの先住民マオリ族伝統儀式。かつてはウォークライと呼ばれていた戦い前の踊り=には大注目だ。21日(日)15時キックオフ前、若き世代のラグビー世界一を決める戦いに、秩父宮の興奮も最高潮に達していることだろう。