U20カナダ代表 20-36 U20トンガ代表 (予選プール 第3戦/2009年6月13日(土) at佐賀・ベストアメニティスタジアム)
予選プールD第3戦、ここ佐賀・ベストアメニティスタジアムは、曇り。IRBの鮮やかな3色のフラッグが、わずかに曇ってみえ、スタジアムへ流れ込む風がフラッグをやわらかく揺らす。緑鮮やかだった芝生も、これまでの熱い戦いで多少痛み、砂で修復され黄色い斑点が目立つ。今日の試合は、実力が拮抗しており、好ゲームが期待される。
オーストラリア(ランキング4位)、ウェールズ(ランキング5位)ともに2勝、トンガ(ランキング12位)、カナダ(ランキング13位)ともに2敗で迎えたこの第3戦。今日の試合で、この後の順位決定戦進出の鍵を握ることになる。オーストラリアvsウェールズにおいては、勝者が1-4位決定戦、敗者が5-8位決定戦へとまわり、トンガカナダの試合では、勝者が9-12位決定戦へ、敗者が13-16位決定戦へとまわることになる。しかし、トンガ対カナダにおいては、ただ順位が決定するだけの戦いでない。もう一つの戦いがある。IRBは、来年度のJWCは、12チームで開催することの意向を示している。つまり、この予選プールで4位になり、13位-16位トーナメントへまわる国は、来年度の参加がないのである。この生き残りをかけた試合は、死闘を繰り広げることになるだろう。
DEAD or LIVE
第1試合、トンガ vs カナダ。両国の入場。国歌斉唱。これまで2戦闘っており、堂々たる姿。トンガの気合いの入った「シピタウ」にカナダも敬意を表す。
レフリー、ジャビア・マンキュソ氏(アルゼンチン協会)の高らかなホイッスル、トンガボールのキックオフで試合が始まった。開始4分、トンガの気合いが空回りしたのか、トンガがPKを2回起こし、カナダに先制のPGのチャンスが訪れるが、カナダはPGをはずしてしまう。開始序盤、カナダがトンガ陣地で、しばらく攻め続けていたが、カナダのキックをトンガ15番アファ・パカラニがカウンターをしかけ、ラックになったところを9番シオネ・フィナウがラックサイドをついて先制のトライをし、試合が動いた。トンガ5-0とする。
15分、中盤エリアでのキック合戦から、ハイパントを上げたカナダ。ボールがちょうど8番ブレット・ブックブームに跳ね返ってきて、20m走りきりラッキーなトライをした。カナダ5-5トンガとカナダがトンガに追いつく。トンガの接点での力強さは、これまでの試合で証明されているが、この試合でも発揮する。カナダは、それを回避するようにキックでトンガDFを下げようとするが、カウンターなど一人で数名を引きずっていく。21分には力強いラックからの突進、30分相手のボールを奪い取りカウンターからトンガがトライし、トンガ17-5とする。カナダは、中盤からのPGを決めるのがやっとのところ。33分10番コーナー・ブレードがPGを決め、カナダ8-17とした。終盤、トンガがラックサイドをつき、ゴールラインまで5mまで攻め入るも、ノッコンをし前半終了した。
後半、カナダは前半同様キックを多用するが、風下でキックが延びず、カナダ陣地での攻防が続く。苦しくなったカナダはPKを犯し、トンガへPGを許すが、トンガはPGを外す。7分カナダのキックからトンガがカウンターを右へ大きくしかけ、ジョニー・モラス=ハンセンが後半最初のトライ、ゴールも成功し、トンガ24-8カナダ。再び、カナダのキックをトンガがカウンターから15番が大きくゲインし、最後は1番シオネ・ムイキハアメアへとつなぎトライ。ゴールも成功し、トンガ31-8カナダとし、差を広げていく。カナダは、常に人数は余っている状態。カナダは外へ回そうとするが、トンガのプレッシャーで外へ回す前につぶされてしまう。16分ようやくボールを中盤から左へ動かし、10番-12番-13番へとつなぎ、最後は11番アーロン・ジョンストンがトライ、ゴール失敗し13-31とした。30分にも、センターライン付近から右へ大きく展開し、続けてトライをし、カナダ20-31と少しずつ差を詰めていき、カナダは息を吹き返し試合がおもしろくなってきた。
その後も、カナダは、大きく外へ展開するラグビーを続け、何度となくビックゲインをしていく。トンガも必死のDFで食い止めていく。残り5分、次の得点を取ったほうが勝利を獲得しそうな予感がした時、38分、カナダが左へ展開し、ゲインを切ったところをトンガがタックル。やはり、トンガの接点は強い。力強いタックルを受けたカナダの選手が思わずボールを落とす。そのボールを拾ったトンガは、13番-19番-11番シオネ・ラウフォオウへとつなぎ、だめ押しのトライをした。最後はトンガが36-20で勝利をものにした。(水野貴人)
U20カナダ代表
ティム・マーディ ヘッドコーチ
「まずはトンガにおめでとうと言いたい。前半ボールは獲得できたが、点を取るべきところで取れずに、逆にトンガに先に取られ、追う展開となってしまった。13-16位決定戦に回ることは喜ばしいことではない。チームをどう改善して次に臨むか考えたい」
ハリー・ジョーンズ キャプテン
「今日の結果に失望している。ヘッドコーチが言うように取るべきところで取れず、後半追いかける展開となり、非常に難しいゲームだった。来年のトーナメントには出られないことになった。若い選手にとって出場できないという結果になったことは残念だ。切り替えて順位決定戦に臨みたい」
U20トンガ代表
ジョン・エドワーズ ヘッドコーチ
「これまでのゲームはミスが多かった。そこをなくしてペースを上げていけばいい結果が出ると思っていた。しかしまだスクラムではミスがある。改善していきたい。他国は大会までに数試合をこなしてきているが、我々は、1試合しか準備してこなかった。大会に入り1試合ごとにチームの力は上がってきているが、基本的な部分で課題があり、修正して順位決定戦に臨みたい」
ハラレヴァ・フィフィタ キャプテン
「これまでの2試合、スクラムにおいて技術的に未熟な部分があったが、まだ改善できていない。ラインアウトでも苦労した。この課題についてはこれからのトレーニングで精度を上げ、順位決定戦に臨みたい」
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