U20オーストラリア代表 40-6 U20トンガ代表 (予選プール 第2戦/2009年6月9日(火) at佐賀・ベストアメニティスタジアム)
予選プールD第2戦が行われるここ佐賀・ベストアメニティスタジアムは、今にも雨が落ちそうなどんよりとした曇り空のなか、オーストラリア、トンガ両国が入場し、国歌斉唱が始まった。試合開始前から点灯された照明が、これから両国のプライドを賭けて闘う選手の左胸のエンブレムを照らす。両国とも第1戦の課題修正を行い、この第2戦へ臨む。試合開始前、トンガの気合いの入った「シピタウ」に対し、オーストラリアも仲間と肩を組み、結束力を高め、闘志を燃やす。
レフリー、ジェームズ・ボランビウ氏(フィジー協会)の高らかなホイッスル、トンガボールのキックオフで試合が始まった。
試合開始序盤、両国とも22メートル付近までは攻め入るも、単純なミスで地域を挽回される。その拮抗を破ったのは、4分、オーストラリア自陣22メートル付近から左へ展開し、最後は13番のアフシバ・タウモエペアウがトライ。9番ニコラス・ホワイトがゴールを決め、7-0。トンガボールで試合再開。トンガの勢いに思わずオーストラリアが反則を繰り返し、トンガ9番シオネ・フィナウがPGを決め3-7。中盤、オーストラリアの巧みなパス回しに対し、トンガの激しいタックルで対抗、観客の歓声が湧く。オーストラリアのミスが目立つようになる。25分、オーストラリアのオブストラクションの反則で、トンガ14番ジョニー・モラス=ハンセンのPGが決まり、6-7。トンガの相変わらずの激しいタックルがオーストラリアの展開を乱し、オーストラリアのノッコンが数回続いた。しかし、32分オーストラリアがゴールライン目前のラインアウトで、モールを作り、モールから飛び出した2番ナイサン・チャールズのトライで、トンガを14-6と突き放す。その後、35分にもオーストラリアが7点を追加し21-6、オーストラリアがリードして前半を終える。
トンガの激しいタックルが後半どこまで継続されるかが、勝敗の鍵を握る。
後半4分、トンガのキックをオーストラリア14番のコリー・ブラウンがカウンターをしかけ、最後は、6番のトーマス・ムーデイが後半最初の得点をし、28-6とする。後半オーストラリアの大量得点を予感させるような後半序盤早々の見事なトライであった。しかし、前半に引き続きトンガの気合いの入った激しいタックルは、オーストラリアのミスを誘い、スクラムの回数も増え、試合が途切れてしまう。後半30分まで小康状態が続き、残り10分ジワリジワリとオーストラリアがゲインを切っていくが、トンガゴール前で痛恨のノッコン。残り5分にも、ゴール目前でトンガにボールを奪われるなど、トンガ執念の防御が続く。後半37分、20分間トンガ陣地で攻め続けたオーストラリアが、ようやくDFラインの裏に蹴ったボールを11番ロドニー・デイビスがトライをし、35-6とする。ノーサイド直前にもトライを獲ったオーストラリアが40-6とトンガを突き放した。最後は、突き放されたが、オーストラリアの攻撃を最後まで激しいタックルで対抗したトンガへ観客から大きな拍手が送られた。
U20トンガ代表
ジョン・エドワーズ ヘッドコーチ
「オーストラリアにボールを速く散らされ、外側に持って行かれるのが怖かったのでスペースを与えないようにしたかったが、うまくいかなかった。また、スクラムが押されてしまったのも大きい。ノックオン等のミスがあったり状況判断が悪かったりしたのも反省材料だ」
ハラレヴァ・フィフィタ キャプテン
「まず、スーパー14所属の選手がたくさんいるオーストラリアとゲームができたことは喜ばしいことだ。ベストを尽くしたが結果が出なかった。自分たちの心を持って戦うことができた。第3戦のカナダ戦に向けてトレーニングを積み、もっといいチームにしたい」
U20オーストラリア代表
デイヴィッド・ヌシフォラ ヘッドコーチ
「ケガ人が出ず、土曜日の第3戦に向けてフルメンバーで戦えることが何よりだ。そういった意味で難しいゲームだった。勝ったということが何より大きい」
マシュー・トゥームア ゲームキャプテン
「トンガはフィジカルが強いチームなので、それに負けないように前に出て行くようにした。今日のゲームに勝って、第3戦に臨めることはとても良いことだ」
──今日のゲームは第1戦からかなりメンバーを入れ替えました。
デイヴィッド・ヌシフォラ ヘッドコーチ
「指摘の通り、9人入れ替えた。コンビネーションの問題があったのは事実。第3戦に向け、これで全員がゲームに臨むことができたわけで、第3戦に向けてベストメンバーを選んでいきたい」
──第3戦に向けてのチームの課題は何か?
デイヴィッド・ヌシフォラ ヘッドコーチ
「ボールコントロールという点で今日のゲームはよくない。第1戦のカナダ戦のレベルまでチームを戻すことが課題だ。また、コンビネーションを良くしていくことが課題だ」
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