U20オーストラリア代表 86-0 U20カナダ代表
(予選プール 第1戦/2009年6月5日(金) at佐賀・ベストアメニティスタジアム)
U20世界ラグビー選手権開幕。ここベストアメニティスタジアムは、緑の芝が目にまぶしく映る。U20とはいえ、日本にとって初めての15人制の国際大会開催。どんなプレーが展開されるのか、世界レベルのタフなゲームを期待したい。
本大会の、4つの予選プール開催地の一つである、佐賀県鳥栖市は県の北東部、福岡県との県境にある。このベストアメニティスタジアムは、サッカーJ2サガン鳥栖のホームグラウンドである。ここに、予選プールD組のウェールズ、オーストラリア、カナダ、トンガの4カ国の選手達が集い、しのぎを削る。
第1試合、オーストラリアvsカナダ戦。空は雲に覆われ、北東の風が強いが、多少湿度も感じる。
17:00、風下のオーストラリアのキックオフで試合開始。レフリーは、ジェームズ・ジョーンズ氏(ウェールズ協会)。序盤からオーストラリアの連続した攻撃が続くが、カナダも激しいタックルで防御をする。激しいタックルで思わずミスが出るオーストラリア。
最初に得点したのはオーストラリア。前半6分、ゴール前5メートルカナダボールのスクラムからターンオーバーし、8→9とつなぎ、右隅にトライ、5-0。12分、またもやカナダボールのスクラムから、こぼれたボールをオーストラリア9番がタックルを受けながらも一人で走りきり右中間にトライ。ゴールも成功して12-0。その後、しばらくお互いに攻撃し合うも、どちらもノックオン等のミスが続き、スコアできない。24分、カナダゴール前10メートル付近の、オーストラリアラインアウトからモールをドライブし、2番が持ち出し右中間にトライ、ゴールも決まってオーストラリア19-0。その後も、31分、34分と連続してオーストラリアがトライを重ねる。カナダはスクラムのボールをコントロールできないこと、簡単なミスで攻撃の目をつぶしてしまうことが悔やまれる。
後半に入って、オーストラリアの一方的な試合展開になる。4分のトライを皮切りに、5分、8分、9分…と、BKの攻撃で得点を重ねる。カナダは運動量が落ち、タックルがあまくなって、簡単にゴールラインを割られてしまう。カナダは、何とか一矢を報いたいが、やはりミスが出てスコアできない。最終スコア、86-0となり、一方的な結果となってしまったが、約1000人の観衆からは両チームの選手に大きな拍手がおくられた。
U20カナダ代表
ティム・マーディ監督
「結果は我々にとって失望するものとなってしまった。しかし、オーストラリアはたいへん強かった。とにかく残り2試合を精一杯やっていきたい」
ハリー・ジョーンズキャプテン
「たいへんタフなゲームで相手は非常にいいプレーが多かった。今日は残念な結果となってしまったが、これからの2試合を前に向かっていくしかない。ピッチが今まで経験した事がない程よかった。固い地面で鋭く動く事ができた」
──終盤ペナルティーキックを狙わないという選択をしたのはなぜか?
「ラインアウト、スクラムで良いボールが出せていなかった。そのため少ないチャンスを生かそうという意図があった」
U20オーストラリア代表
デイヴィット・ヌシフォラ監督
「最初のゲームとして結果には満足している。試合の入りに緊張が見られ、なかなか意図した動きができなかった。しかし、時間がたつごとにリズムがよくなり、セカンドハーフからはいい動きができていた。今後、ゲームを重ねるごとにいい試合ができるのではないかと考えている」
ダミアン・フィッツパトリックキャプテン
「監督の言った通り、始めは神経質になって本来の動きができなかった。走っているうちにリズムが出てよいプレーにつながっていった。最初のゲームとしてよい入り方ができた。これからもがんばっていきたい」
──あえてあげるとしたら課題は何か?
「プレーの選択、特に前半は自分たちがやりたいものとは違っていた。キックオフの準備ができていなかったことも今後修正していきたい」
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